【Football×色彩学】RB大宮アルディージャ 百年構想リーグ ユニフォーム徹底解剖!オレンジの改革とネイビーの翼🟠🌑🐿️🪽

Football×ユニフォーム×色彩学

1. はじめに:大宮の空は、何色に染まったのか

こんにちは、色彩とフットボールを愛するブログライターYchanです。

2026シーズンのRB大宮アルディージャのKitは、2025シーズンのKitを継続使用しています。
Under Armourサプライヤーの、このユニフォームは、予想通り、いや予想以上に「レッドブル色」が前面に押し出されたものとなっています。

そして、このユニフォームからメイカラーがオレンジからネイビーに変更されることとなりました。クラブアイデンティティの観点から当初は一部批判的な声も上がりました。

クラブのイメージ戦略によるこの変更。なぜこの配色なのか? なぜこのグラフィックなのか?そこには必ず、色彩学的な「正解」と、商業的な「狙い」が存在します。

今回は、HomeとAwayの2着を通し、レッドブル・グループが描こうとしている「大宮の未来図」を、色という観点から冷徹に分析していきます。

ちなみにYchanは、Home Kit No.7 小島選手を買いました✨(まだ届いてない。。)

2. 【前提知識】サッカーにおける「色の機能」とは?

本題に入る前に、少しだけ色彩学の講義をさせてください。これを理解すれば、あなたのユニフォームを見る目は劇的に変わります。サッカーにおいて色は単なる装飾ではなく「機能」という側面もあります。

① 進出色と後退色

色は距離感に影響を与えます。

  • 進出色(Advancing Color):赤、橙、黄などの暖色系。実際よりも手前に飛び出て見える。
  • 後退色(Receding Color):青、青緑、紫などの寒色系。実際よりも奥に引っ込んで見える。

サッカーにおいて、ユニフォームの色は選手間の距離感や、敵に与える威圧感に直結する重要な要素になります。

② 誘目性(Conspicuity)

これは「無意識に目を引く性質」のことです。特に黄色と黒、あるいはは誘目性が高い。レッドブルのロゴ(太陽を背にした赤い雄牛)は、この誘目性の塊です。ピッチのどこにいても、「そこにレッドブルがいる」と認識させる強力なパワーを持ちます。

③ 色の心理効果

  • ネイビー(ダークブルー):鎮静、収縮、権威、理知的。心を落ち着かせ、集中力を高める効果がある。
  • オレンジ:陽気、社交性、エネルギー。大宮の伝統色であり、地域との絆を象徴する「ビタミンカラー」。

これらを踏まえた上で、RB大宮の新しい戦闘服を見ていこう。


3. Home Kit レビュー:ネイビーの支配と、申し訳程度のオレンジ

<引用>J.LEAGUE ONLINE STOREより引用
https://store.jleague.jp/club/omiya/item/P0000098692/

まずは、議論の的となっているHome Kit。

3-1. 色彩分析

■ ベースカラー:ミッドナイトネイビー(Dark Blue / dk18相当)

まず目を奪われるのは、大宮の伝統である「オレンジ」ではなく、深く重厚な「ネイビー」が全体を支配している点。
PCCS(日本色研配色体系)で言えば、ダークトーン(dk)、あるいはさらに暗いダークグレイッシュトーン(dkg)の青紫に近い。これは「収縮色」であり、選手のアスリート体型を引き締め、強靭に見せる効果がある。また、色彩心理的には「権威」「プロフェッショナル」を象徴し、新生RB大宮が「ただのクラブではない」という無言の圧力を放っている。

■ アクセントカラー:ビビッドオレンジ(Vivid Orange / v4相当)

かつての主役は、今や襟元と袖のラグランライン、そしてグラフィックカラーに追いやられた。しかし、この使い方は色彩学的には非常に巧み。
ネイビー(青紫系)とオレンジ(黄赤系)は、色相環上で正反対に近い「補色(Complementary Colors)」の関係にある。この配色は「ダイアード」とも呼ばれ、互いの色を引き立て合い、強烈なコントラストを生む。
ベースが暗いネイビーだからこそ、わずかなオレンジが発光しているかのように鮮やかに見える(明度対比)

■ グラフィック:視覚混合によるテクスチャ

特筆すべきは、ボディ全体に施された斜めのクロスハッチ(網掛け)パターンだ。
これは、デジタルデバイスのピクセルや、スピード感を表す軌跡のようにも見える。遠目で見ると、地色のネイビーと明るい紫が「視覚混合(Visual Mixing)」を起こし、単色ベタ塗りにはない奥行きと、ハイテクでモダンな質感を演出している。

■ ロゴ配置:誘目性の暴力

そして中央に鎮座する、アンダーアーマーのロゴと、巨大なレッドブルのロゴ。
特にレッドブルのロゴ(赤×黄)は、ネイビーの補色関係にはないが、彩度が極めて高いため、ベースカラーから完全に浮き上がって見える。これを色彩学では「セパレーション(分離)」効果の欠如、あるいは「ハレーション」ギリギリの強い主張と捉えることができる。

批評(Critique)

率直な感想としてめっちゃカッコいい。 デザインとしての完成度は極めて高い。
このRB大宮のキットは、ネイビーを基調に色数を極限まで絞り込んでおり、非常に洗練されている。
暗いトーンのネイビーは、日本人の肌色とも相性が良く、サポーターがスタジアムへの行き帰りに着ても違和感が出ない。ジーンズやテック系のパンツに合わせれば、そのまま渋谷や原宿を歩けるレベルのファッション性を獲得している。アンダーアーマーの硬派なイメージとも見事にマッチしており、「強くて、速くて、都会的」なブランディングには成功していると言えるだろう。

一方で、批判もしなければならない。発表当初の一部の批判にもあった通り「大宮アルディージャ」のユニフォームと言えるのか?という点だ。
「クールなデザイン」であることは間違いないが、「愛着のあるデザイン」になるには時間がかかるだろう。商業的には(普段着として売れるため)正解かもしれないが、古参サポーターの心情的ケアという点では、この配色はあまりに冷徹。


4. Away Kit レビュー:清潔感という名の「無個性」

<引用>J.LEAGUE ONLINE STOREより引用
https://store.jleague.jp/club/omiya/item/P0000098690/

続いて、アウェイキットを見ていこう。

4-1. 色彩分析

■ ベースカラー:ホワイト(White / W)

Away Kitの定番である白。色彩学において白は、すべての色光を反射する色であり、「清潔」「純粋」「リセット」を象徴。
このKitにおける白は、明度が最も高い色であり、ナイトゲームの照明下での「視認性(Visibility)」は抜群だ。パスの出し手から見て、味方の位置が瞬時に把握できる機能的な色である。

■ サブカラー:ダークネイビー(Dark Blue / dk18)

袖部分(ラグランスリーブ)に、ネイビーを採用。
白とネイビーの組み合わせは、「明度コントラスト(Lightness Contrast)」が最大級に大きくなるため、非常にパキッとした、規律正しい印象を与える。

■ グラフィック:高明度・低彩度のパターン

Home Kitと同様のクロスハッチパターンが、薄いグレー(ライトグレイッシュトーン)で施されている。
白地に白に近いグレーの柄を置く手法は「カマイユ配色(Camaïeu)」に近い。遠目には無地に見えるが、近距離で見ると繊細なニュアンスがあり、高級感を醸し出すテクニックだ。

批評(Critique)

このAwayキットの最大の魅力は、その「クリーンさ」にある。
白とネイビーの配色は、警察官やパイロットの制服にも使われるように、「信頼感」と「誠実さ」を相手に植え付ける。ラフプレーをしても、なんとなく許されてしまいそうなほどの清潔感がある。(そんなことはない笑)
また、Home Kirt同様、色数が絞られているため、中央のレッドブルロゴと、胸のエンブレムへの視線誘導が完璧だ。
視覚的なノイズが一切ないため、選手はピッチ上で非常にスマートに見えるだろう。私がスタイリストなら、あえてオーバーサイズではなく、ジャストサイズで着ることを推奨する。色彩が持つ「タイトな緊張感」を活かすためだ。

ただ、白とネイビー。これは世界中どこにでもある配色だ。ザルツブルク、ライプツィヒ、あるいはニューヨーク。どのレッドブル系クラブのアウェイユニフォームと言われても違和感がない。
色彩学的に「調和(Harmony)」は取れているが、そこには「情動(Emotion)」がないのだ。
オレンジの要素がほぼ排除されている点も痛い。


5. おわりに

RB大宮アルディージャの2026シーズンユニフォーム。
色彩学的に総括するならば、以下のような結論になります。

「伝統色(オレンジ)という『感情』を犠牲にし、コーポレートカラー(ネイビー)による『機能美とブランド戦略』を選択した、極めて論理的かつ冷徹なデザイン」

Home、Awayともに、配色の調和、トーンの統一感、視認性といった色彩設計のレベルは非常に高い。アンダーアーマーの技術力と、レッドブルのデザインチームの美意識が融合した、プロダクトとしては一級品。街着としてのポテンシャルは、Jリーグ史上でもトップクラスでしょう。

しかし、そこには「痛み」が伴います。
長年、NACK5スタジアムをオレンジに染めてきたサポーターにとって、このネイビーのユニフォームを受け入れることは、過去との決別を意味するからです。

しかし、私はこうも思います。
「色は、記憶と結びつく。」
もし、このネイビーのユニフォームを着た選手たちが、圧倒的な強さでリーグを制覇し、ACLを勝ち進み、世界への扉を開いたとしたら?

その時、この「冷徹なネイビー」は、サポーターにとって「勝利の色」「誇りの色」へと上書きされる。色彩心理は固定されたものではなく、経験によって変化するのだ。

「強さ」こそが、最高の色なのだから。

読者のみなさんは、この新しい翼をどう見るだろうか?
「最高にクールだ」と歓迎するか? それとも「魂を売った」と嘆くか?

さあ、スタジアムをこのネイビーとオレンジで染め上げよう。試合前には必ずRedbullを飲み干してエネルギーチャージ⚡️

※著作権・商標権を侵害している場合は、速やかに対処しますので、ご連絡ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました